ドヰ手芸 刺繍布の目数について

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目数を数える際の単位

日本・フランス・ドイツなど多くの国は、メートル法を公式単位としていますので、10cm又は1cmあたりの目数で表現します。

イギリスは、メートル法が公式単位ですが、ヤード・インチの使用が慣習として残っていますので、10cm又は1cmあたりの目数を主としながらも、1インチ(=2.54cm)あたりの目数を並記する事が多いようです。

アメリカも、メートル法が公式単位ですが、ヤード・インチの使用が強い慣習して残っており、その使用を禁止もされていないので、1インチ(=2.54cm)あたりの目数のみで表現する事がほとんどのようです。

インチあたりの目数が布の名前の一部として一般化したものが多数あります。例えば「14 count Aida」「22 count Hardanger」「Lugana 25」など。日本の「5寸釘」のような感じでしょうか。

刺繍は世界中にみられる手芸ですので、どの国の単位を使うべきかの決まりは有りません。日本ではメートル法を用い、他の国の刺繍を学んだり、他の国の商品を使う際には、その国で使われる単位を理解すれば良いと考えます。「海外の刺繍はカウント(インチ単位)が常識」のように記載しているサイトや書籍がありますが、それは誤りです。

当店は、日本のお客様を主とする日本の会社であり、布の大きさや出来上がりの大きさを計算したり想像したりする際にはメートル法が便利ですので、メートル法を主表記とし、1インチ = 2.54cm で計算した1インチあたりの目数を必要に応じ併記します。

「ヤード・ポンド法」についての詳細な説明は、ウィキペディアなどをご参照ください

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「カウント」という表現について

刺繍に関する諸資料では「カウント」は常に「1インチあたり」の意味で用いられ、メートル法表記の場合は「1cmあたり」のように、基礎単位を明示する傾向があります。単位に関する紛らわしさを避ける慣習と感じます。

カウントは厳密な数値ではなく「おおまかな分類名」です。例えば,
 28 count:普通
 32 count:細かい
 36 count:非常に細かい
のような感じで使われ、1インチ31目の布が、32 count と表示される時があります。また、32 count の布が推奨されている刺繍に1インチ33目の布を使っても、ほとんど支障ありません(出来上がりサイズの確認が必要な場合はあります)

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布の目数の数え方 と クロスステッチなどの刺繍の目数

刺繍に使われる布は「ブロック織り」と「平織り」の2種類に大別されます。

「ブロック織り」は、「ジャバクロス」や「アイーダ」のように、目数を数えながら刺す刺繍(区限刺繍)が刺しやすいように織られた布で、縦糸緯糸それぞれ数本でブロックを組み、ブロック間の間隔が少し空くように織ってあります。布の目数を数える時は(織糸の数ではなく)ブロックの数で数えます。
ブロック織りの布でクロスステッチをする場合、通常は1ブロック毎に刺します。

「平織り」は、縦糸緯糸が1本づつ交互に交差する織り方です。布の目数を数える時は、織糸の数を数えます。
平織りの布でクロスステッチをする場合、2目毎に刺す方法が最も多く用いられます。

平織りの布に2目毎に刺すクロスステッチと同じ大きさのデザインを、ブロック織りの布で刺すには、平織りの布の目数の半分の目数の布を選べば良い事になります。

ブロック織り
刺繍の1目=布の1目
数え方の画像
平織り
刺繍の1目=布の2目
数え方の画像
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平織り布の目数を、2目毎に刺すクロスステッチのステッチ数で数える流派があります。例えば1cmあたり10目の布ですとクロスステッチの数は5ステッチですので、5目の布と呼んでいます。
英語では「5 stitches per 1cm」「10 threads per 1cm」ですが日本語ではいずれも「1センチあたり5目」「1センチあたり10目」と訳されますので、非常に紛らわしく誤りやすい語法ですので特にご注意ください

刺繍布の目数に関し「打込目数について:打込目数とは、刺しゅう布10cm平方の中に布目が何目あるかを示しています」という説明と共に、「ジャバクロス細目:打込目数 約35目/10cm」のように記載しているサイトが数多くあります。おそらくオリムパス社の総合カタログに記載されている説明を転用したものと推察されますが、布の密度を表す「打込本数」という専門用語と紛らわしくもあり、次の理由から、不適切な表現であると思います。
(1)上記説明の前半は「10cm平方の中に」と面積あたりの定義をしながら、後半では「35目/10cm」と長さで表現している
(2)布密度を表す専門用語の「打込本数」とは、「10cm平方(又は1インチ平方)の中のタテ糸とヨコ糸の合計本数」を言います。刺しゅう布の目数を数える時とは全く異なる計測方法です。上記ジャバクロス細目のブロックあたりの織糸は7本ですから、10cmあたり245本、10cm平方あたりの打込本数は490本になり、刺繍をする際にはあまり関係無い数値です。

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2016-08-21 ドヰ手芸品株式会社